速い!?エンタープライズHDD EXOS X14 10TBを試す!

目次

概要

今回は、Seagate製のエンタープライズHDDである EXOS X14 の 10TB モデルを入手したので簡単に紹介します。

スペック

公式のデータシートから抜粋になりますが、スペックは次のようになっています。

Seagate EXOS X14 10TB
MTBF (hours) 250 万時間
AFR 0.35 %
Spindle Speed (RPM) 7200 RPM
Interface SATA 6Gbps
Cache (MB) 256 MB
Sequential Read (MB/S) 245 MB/s
Sequential Write (MB/s) 233 MB/s
Random Read 4KB QD16 (IOPS) 170 IOPS
Random Write 4KB QD16 (IOPS) 418 IOPS
Idle Power Consumption (W) 5 W

HDD の故障率は母数が少ないと運に左右されますが、コンシューマ向け HDD との違いは MTBF や AFR が公表されている点でしょうか。
コンシューマ向け HDD では評判があまりよくない Seagate ですが、筆者の中ではエンタープライズ HDD では他社製のモノと比べて遜色ない成績を残しているイメージがあります。
また、近年の大容量 HDD で良く採用されているヘリウムを充填したモデルです。

外観

今回入手したものはリファービッシュ品です。
そのため新品とはラベルなどが異なる可能性があります。

こちらは表面です。
各種情報が記載されたラベルが貼られています。
HGST(WD) などの HDD は角ばっているので丸みを帯びたデザインは個人的には見慣れないものです。

こちらは裏面です。
他社の HDD と比較すると PCB の面積が少ないように感じます。
インタフェースは SATA です。

SMART

smartctl コマンドを使用して SMART 情報を確認してみます。
Ubuntu では次のコマンドでインストールできます。

# apt install smartmontools

諸事情でRAIDコントローラーをHBAモードにして接続しているため、SATA AHCI での接続に比べて見えている情報に差異があるかもしれません。

# smartctl -a -d cciss,0 /dev/sda
smartctl 7.2 2020-12-30 r5155 [x86_64-linux-5.15.0-60-generic] (local build)
Copyright (C) 2002-20, Bruce Allen, Christian Franke, www.smartmontools.org

=== START OF INFORMATION SECTION ===
Model Family:     Seagate Exos X14
Device Model:     ST10000NM0478-2H7100
Serial Number:    XXXXXXXX
LU WWN Device Id: 5 000c50 07443394e
Firmware Version: SN04
User Capacity:    10,000,831,348,736 bytes [10.0 TB]
Sector Sizes:     512 bytes logical, 4096 bytes physical
Rotation Rate:    7200 rpm
Form Factor:      3.5 inches
Device is:        In smartctl database [for details use: -P show]
ATA Version is:   ACS-4 (minor revision not indicated)
SATA Version is:  SATA 3.3, 6.0 Gb/s (current: 6.0 Gb/s)
Local Time is:    Tue Feb 14 11:25:49 2023 UTC
SMART support is: Available - device has SMART capability.
SMART support is: Enabled

セクタサイズですが、論理セクタサイズは 512Byte、物理セクタサイズ 4096Byte のようです。
また、Seagate によると SeaChest と呼ばれるツールを利用することで論理セクタサイズを 4096Byte に変更し、4Kn な HDD として使用することができるようです。
論理セクタサイズを 4K(4096)Byte にするとデータ転送の効率が向上するため、性能向上が期待されています。

しかし、4K セクタをサポートしていない RAID コントローラはまだまだ存在します。
一例をあげると、HPE のサーバーの Gen9 世代に搭載されている RAID コントローラは、RAID モードでは 4Kn HDD をサポートしておらず RAID の構成が出来ません。
ただ、HBA モードであれば使用できるようです。

論理セクタサイズを 4096Byte に設定するかどうかに限らず、RAID 構成で使用する HDD を選ぶ場合はこのあたりも注意して選定する必要があります。

ベンチマーク

CrystalDiskMark を使用して簡単なベンチマークを実施しました。

シーケンシャルでは Read 248.6MB/s、Write 235.7MB/s と、ともに公称値以上の値を出しています。

また、ランダムアクセス性能を見ても HDD としてはかなりいい結果を出していると言えるのではないでしょうか。
(データシート上の 4K ランダムアクセスでの数値はQD16のモノなので今回は比較はしません)

感覚値

本製品はすでに本番環境に投入しています。
性能限界に近いI/Oを3日以上かけ続けていますが、安定して動作しており動作音も非常に静かです。

また、電力値を以前購入したPDUを使用して計測していますが、以前まで使用していた HGST の 4TB HDD に比べるとディスクが使用する電力が 1/3 以下になりました。

さいごに

今回は、Seagate 製のエンタープライズ HDD である EXOS X14 10TB を入手したので簡単に紹介しました。

以前は Western Digital の RED シリーズを使用して今いたが、CMR から SMR にサイレント変更した経緯などがあり、近年では安価で信頼性の高い HDD を入手するのが難しくなっている印象を受けます。
本製品はリファービッシュ品などを ebay などで比較的安価に入手することができ、場合によっては十分選択肢となりうる製品ではないでしょうか。

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